旅館の再生のお手伝いを始めてからはや半年が過ぎようとしています。


最初にご相談を頂いたときはどうなることかと思っていましたが、だんだんと実現していく建築現場を見るととても楽しみでわくわくします。


ところで、この建設工事、リフォーム工事もそうなのですが、最初に施工会社から提示された納期が遅れそうなのです。


納期の遅れはよくあることらしいのですが、果たしてそうなのでしょうか?



マイホームをこれから建てようという人やリフォーム工事をこれからやろうと思っている人にぜひ参考にしてもらいたいのですが、多くの場合は住む場所が別にあって、例えばホテルやマンスリーマンションなどを仮住まいとして、いまかいまかと建設が完了するのを待っている場合もあると思います。


また、ローンを組んでいる場合は、建設が開始してから返済がはじまるので、工事期間が延びてしまうと、建物を利用するのが遅れるため、利用できないのにローンを返済しないといけない期間が発生してしまいます。


ホテルの場合はさらに顕著で、ホテルの営業開始が工事のせいで遅れてしまうのに、ローンの返済は待ってくれません。工事遅延期間のローンは自分がさらにお金を出して手当しないといけなくなってしまいます。


商売の場合これはかなり致命的ですね。数ヶ月分も運転資金(ローンの返済)が増えてしまうのですから、なんとかしたいものです。



そんな実体験をもとに、工事が遅れてしまうのはしょうがないとして、無駄な出費を未然に防ぐ方法を考えてみました。


それは、「工事遅延による損害賠償条項」という条文を建設工事の発注契約に記載することです!


4月に開業しようとしていたのに6月まで工事が伸びてしまって、実際に開業できたのは7月だったとします。その場合、4、5,6月には売上がないのにローンを返済しないといけないことになってしまいます。天候の悪化などのどうしようもない理由を除いて、その負担を建設会社に支払ってもらうことをあらかじめ契約に盛り込んでおくのがこの「工事遅延による損害賠償条項」 の意味です。



そんなことできるの? 


と思われる方がいるかもしれませんが、プロの建設業界では当たり前に行われていることなんです。それが一歩個人の建設工事発注の世界になると怪訝な顔をされるいわれはありませんよね?


具体的に私が作成した契約書にどう書いてあるかご紹介します。

第XX条(履行遅滞・賠償額の予定)
受注者が完成期日までに工事完了を達成できないときは、次の各号のとおりとする。ただし、工事の完了未達成が、発注者又は本建物を管轄する監督官庁の責めに帰すべき事由によることを受注者が立証したときは、この限りではない。
(1) 完成期日後14日以内に完了したときは、受注者は、遅延に対する一切の責任を免れる。ただし、完了の日が最終引渡期限を超える場合には、本号の規定にかかわらず、発注者は最終引渡期限の翌日より、次号に定める割合で計算した予定損害賠償金の請求ができる。
(2) 完成期日後14日間を超えて完了した場合には、発注者は、受注者に対し、かかる14日間を超える遅延日数に応じて、契約金額に対し年10%の割合で計算した額の予定損害賠償金を請求することができる。ただし、予定損害賠償金の合計額は、契約金額の5%を上限とする。


ちょっと難しいかもしれませんが簡単に言うと、(1)14日までは工事が遅れても許す、(2)その代わり、15日目からは契約金額に金利をつけて日割りにした金額を損害賠償額として払ってね、ということです。


個別の物件によっていろいろと変わる部分があるでしょうが、この条文が入っていれば工事が遅れても、自分だけが損することは防げますし、工事業者も納期を守ろうとする意識が高まる効果があります。



みなさんもぜひ工事の遅れで損をしないように、契約内容を見直してみてくださいね!