旅館ビジネスを手伝うようになってから、旅館やホテルには様々な法律の壁があるということを肌身に感じるようになってきました。


今回ご紹介するのは、「旅館を建設できる場所には制限がある」ということです!



よく町中でみるホテルや旅館は、駅前に建っていることが多いですよね。



でも工場がたくさんある場所にはホテルや旅館は少ないような気がしたりしませんか?


実はそのイメージ、正解です。



ホテルや旅館には建築基準法という法律で建設していい地域とダメな地域が分けられているのです。



さらに、複雑なのは、その建設していい・ダメな地域というのは、都市計画法という別の法律で決められた区割りをベースに決められているのです。


すでによくわからない人もいるかもしれないので、まずは都市計画法から説明します!



都市計画法とは?


都市計画法とはその名の通り、都市を計画するための法律です。スーパーファミコンでシムシティ―という街づくりゲームがありますが、あれをイメージするとわかりやすいです。


つまり、「ここはビル街にしよう。ここは工場や発電所をつくろう。ここには駅を作ろう」とシムシティーではゲームを進めていきますが、現実の世界では都道府県知事が町づくりをするために、ここは町にしよう、とか、ここは自然多めのエリアにしようとかを区分けしているんです。


町にしたいエリアを市街化区域といいます。自然多めのエリアは市街化調整区域といいます。


町にしたいと言っても、いろんな町がありますよね?

高級住宅街にしたいとか、商店街にしたいとかそういう町の特色(=用途)を出すために、市街化区域をさらにエリア分けします。これを用途地域といいます。


用途地域には、高級住宅街の第1種・第2種低層住居専用地域という聞きなれない地域や、商業地域・工業地域という聞いただけでイメージがわく地域など、合計で12の地域に分かれています。



ようは、都市計画法というのは、町をエリア分けしている、と理解してもらえればいいです。

都市計画法による用途地域のWIKIPEDIA






そして、このエリアをベースにして、建築基準法がからんできます。


建築基準法というのは、建物の安全についてルールを決める法律です。


耐火構造や容積率という言葉は聞いたことがある人が多いかもしれません。シックハウス対策やアスベスト対策もこの法律です。


個別の建物についての安全を決めている法律なのですが、建物一つ一つを安全にしても、燃えやすい建物が密集していれば、それは一つ一つの建物をいくら規制しても、いざ火事が起きたときには大災害になってしまいます。


そのため、個別の建物への規制以外に、複数の建築物を集団としてとらえて、全体で安全を確保するということも建築基準法では決められています。


その中で、用途地域ごとに、建てられる建物と建てられない建物が決められているんです。


例えば、工場が密集していて化学物質が隣にあるような危険な地域(工業専用地域)では住宅やマンションは建てられない決まりになっています。


また調理で火を扱う飲食店は住宅が密集している住宅専用地域には建てられない(もしくは条件付き)という配慮がなされています。


このように、住宅や小学校、病院、神社、大学、パチンコ屋、カラオケ、老人ホームなど様々な施設ごとに建てられる地域とそうでない地域が詳細に決められています。


その中に旅館・ホテルがあるのです。


これを知らないで旅館を建ててしまうと、気付かないうちに法律違反になってしまいます。


旅館・ホテルが建てられるのは、用途地域の全12地域のうちの半分の6地域のみです。



第1種住居地域(条件付き)、第2種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域


この6地域に限られます。



でも、そういうことがわかっても、いざ建てようと思った場所がどの地域に該当するかがわからないと意味がありませんよね?


じつはこの地域割りは都道府県がインターネットで公開してくれているので、お住まいの都道府県の都市計画図を検索してみてください。



東京であれば、「東京都 都市計画図」で検索するとでてきますよ!


東京都都市整備局のホームページで用途地域公開中


東京都であれば都市整備局というところが公開しています。


試しに渋谷界隈を見てみましょう!


渋谷の用途地域



青い矢印の部分にカーソルを合わせると左側にその地域の情報がでてきます。


渋谷界隈は商業地域と書いてあるので、旅館・ホテルが建設できることがわかりますね!



旅館やホテルにまつわる法律について詳しいホームページが少ないので私もかなりてこずりながら研究していますが、このブログでは随時発信をしていきますので、ときどき見に来てくださいね!